2009年11月13日

サフィア・ミニーと大原孫三郎



タイトルを見て「この2人の相関性って何?」と思った人もいるかも知れません。

前者はフェアトレードとファッションビジネスを結びつけた社会起業家。

後者はご存知、大原美術館を作ったり岡山県倉敷地区を中心に日本で先駆けて社会貢献活動を進めた実業家です。

時代的には接点があるはずがありません…。

私は常々、

企業は社会貢献できてナンボ

と考えていますので、利益至上主義の会社にはあまり関心がいきません。

CSRが注目されて10年近く経ちますが、組織がいかに地元社会に良い影響を与えるかと考えると、時代は違えど、この2人の生き様には今の組織運営のあり方を照らすお手本のようなものを感じるわけです。

サフィア・ミニー氏はフェアトレードショップ・ピープル・ツリーの代表を務めるイギリスの女性起業家。

バブル経済全盛時の好況下に来日して、六本木の豪遊者を見ながら日本社会の矛盾に疑問を感じたそうです。

さらに日本にはオーガニックフードやエコロジー製品を買えるショップがほとんどないという現状にも驚かされたそうで、貧困な国の生産者にも何とか対価の報酬が得られるようなフェアトレードの仕組みを作りたいと国際貢献活動に興味を持ったようです。

そこでチョコやコーヒーといったトレードじゃなく衣料品に着目したのですが、上出リンクの本はサフィアさんの自叙伝と言ってもいい本で読めばとても痛快です。

利益を煽るだけのビジネスは社会に多くの富は残せないということに気づいたのでしょうね。

ちょっと既存の大企業は「悪」、NGO活動は「善」という色分けがキツいと感じる人には読みづらいと思うのですが、衣料品のフェアトレードショップが軌道に乗ってイギリスから叙勲の表彰を受けたそうなので、まさに女性社会起業家のサクセスストーリーとして読める本だと感じました。

で、続いて大原孫三郎氏の話に移りたいと思います。

倉敷の富豪の家に生まれながら放蕩生活を送っていた大原は父の跡を継いで1906年に26歳の若さでクラボウの社長に就任します。

社長になった大原は従業員の粗悪な労働環境に頭を痛め、当時の企業では先駆けて「福利厚生」という概念を経営に適用していきます。

当時の利益主義に走った重役たちから反対を受けながらも、「社員の幸福なくして事業の反映はない」と悟り、奴隷小屋のような寄宿舎や飯場を廃止して社員住宅を充実させたり、学校を出ていない職工のために工場内に補修学校を作り社員の待遇も改善していったのです。

大原は若い頃、友人の影響を受けてクリスチャンに改心していきます。

その後、特に二宮尊徳の「儲けの何割かを社会に還元する」という報徳の考えに感銘を受け、自らの日記にも

余の天職のために財産を与えられた。

神のために遣い尽くすか、利用すべきである。


と思いを書き連ねました。

地方の一紡績工場を日本を代表する大企業に成長させ、労働災害の改善を願って設立した倉敷中央病院の利用も工員にとどまらず、市民に開放していったのです。

倉敷市には病院や学校や美術館だけでなく、大原の利益を社会に還元するという思想から作られた施設が今もたくさん残っています。

大原はそういった数々の事業展開を反対された時に、常に重役たちにこう言い切ったそうです。

「ワシの眼は10年先が見える。」

サフィアさんと大原氏の2人の考え方に、ステークホルダーと企業の関わり方の典型を見たような気がします。

幹部の保身が根強い企業体質に一石を投じるビジネススタイルといっても過言じゃないでしょう。


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posted by ハマスタの☆浜風 at 21:42| Comment(0) | TrackBack(0) | NPO・ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

世界を変えるお金の使い方



最近、玄関の電気をつけっ放しにしていたら6歳の息子に「お父さんは全然エコじゃないよねぇ〜」と愚痴られました…。 (‐ι‐;)・・・

昔東京の小さなNGOで4年ほど働いていたことがあるのですが、その時の影響で今でもボランティア活動にはすごく興味があるのです。

そこで2冊の本を紹介したいと思います。

まず上出リンクの『世界を変えるお金の使い方』

当時は鮮やかなスカイブルーのカバーが書店でも目立っていましたし、1260円の割には字が大きく各ページの余白も多いので、立ち読みでも10分ちょっとで読み終えましたよ…。(って、ちゃんとその後に買いましたけど)

世の中には「いかにしてお金を多く儲けるか」というノウハウ本は多く出版されていますが、「お金をどのように使えばいいのか」「お金を何のために使えば人のために役立つか」という本は少ないですよね。

ある意味、不思議な話です。

この本はお金という単位にスポットを当て、豊かな日本の暮らしの金銭感覚と世界の実情を対比しながら、そのお金がいくらあれば遠い街や外国に暮らす子ども、障害者たちの社会を大きく変えることができるか、いくらあればその人たちを助けてあげられるかということを説明しています。

例えば、

・100円で、予防可能な感染症の中で死亡率が高く、手足に重い後遺症を残すポリオ(小児麻痺)からミャンマーの子ども5人を守ることができます。

・100円で、バングラデシュのストリートチルドレン20人がコップ1杯の牛乳を飲むことができます。

・300円で、タイとカンボジア国境にある地雷原を1平方メートル分なくすことができます。

・10万円で、本が1冊点訳できます。点字が読める約3万人の目の不自由な人たちが新たな本と出会うことができます。


という風に、各ページに○円あれば●●を救ってあげられるみたいにそれぞれ説明されているのです。

わずかなお金でも使い方によっては世界を少しずつ変えることができるんだ!ということを知るわけですよね。

何気ない内容ですがわれわれの金銭感覚を正してくれる良書だと思います。



もう1冊は『1秒の世界 Part2』

前作の『1秒の世界』もそうでしたが、『世界を変えるお金の使い方』の時間版といった内容です。

たった1秒の間に世界ではこんなことが起きているんだ!という警告書ですかね。

1秒の間に大気中の酸素が何トン減っているとか、1秒の間に北極の氷がどれだけ溶けているとか、1秒の間に中国の平原がどれだけ砂漠化しているとか。

今回紹介した両著を併せて読むことで忘れがちな地球が取り巻く環境の深刻さを知るよい機会になると思います。

ぜひご一読を!


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posted by ハマスタの☆浜風 at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | NPO・ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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